科目コード 科      目      名 学年 単位・時間 科目区分 授業形態 学修単位
3157 自然科学概論 : Introduction to Natural Science 5B 2・200分 必修 講義・後期
教 員 名 武藤義彦 : MUTO Yoshihiko
授業概要 経済物理学に代表されるように,複雑系や臨界現象といった近代科学の高度な概念を用いて,経済現象を説明しようという研究が行われている。すなわち,均衡や恒常性でなく,不確実性や変化といったキーワードを用いて世界を記述しようとしている。これらのキーワードは自然科学,特に物理学の発展において顕著に取り上げられてきた。本講義では,最初に決定論的な物理学を概観し,その後に確率的に現象を捉える熱現象や原子物理学を扱うことで,科学現象に対する視野を広げることを目的とする。また,終盤では生物学を分子レベルから捉える話題を取り
到 達 目 標 評 価 方 法 評価配分
(1) ニュートン力学,波動,熱現象などの古典物理学の・・・・ (1) 中間試験で評価する。 20%
(2) 電磁気に関する現象を代数や微分方程式を用いて記述・理解できること。 (2) 中間試験で評価する。 20%
(3) 原子物理学における電子の二重性を理解し,光電効果などの現象を説明できること。 (3) 期末試験で評価する。 20%
(4) 生物の基本単位である細胞の性質および分子レベルでの機能を説明できること。 (4) 期末試験で評価する。 20%
(5) 現象を説明するための論理的帰結を説明できること。 (5) レポートにより評価する。 20%
     
     
学習・教育目標 (A)@ JABEE基準1(1) (c)
授      業      計      画 項    目 内      容 授      業      計      画 項    目 内      容
   イントロダクション 力学的自然観:アリストテレス,スコラ哲学,ガリレオの「慣性の法則」    原子物理学(1) 原子と原子核,ボーアの原子モデル,光電効果,光量子
第1 第16
   
   ニュートン力学(1) ニュートンによる「慣性系の導入」と「運動の三法則」,慣性力と遠心力,運動量とエネルギー保存則    原子物理学(2) 電子のもつ波動性,波動としての原子,シュレディンガー方程式
第2 第17
   
   ニュートン力学(2) 角運動量保存則と独楽の歳差運動,万有引力    原子物理学(3) シュレディンガーの猫,スピン,ディラックの方程式
第3 第18
   
   熱現象(1) 決定論から確率論へ。気体分子の運動    物性物理学(1) 結晶の構造,金属結合,パウリの原理とエネルギーバンド
第4 第19
   
   熱現象(2) 可逆過程と不可逆過    物性物理学(2) 半導体とトランジスタ
第5 第20
   
   熱現象(3) エントロピー,自由エネルギー    物性物理学(3) 超伝導と超流動
第6 第21
   
   波動現象 波動の性質,偏光,波の干渉    原子核物理 中性子の存在,質量欠損と結合エネルギー,核の崩壊
第7 第22
   
   電気(1) 静電場,電場と双極子,場のエネルギーと運動量    細胞生物学(1) 細胞の構造,細胞膜の働き
第8 第23
   
   電気(2) 電流,自由電子,電気抵抗,超伝導    細胞生物学(2) 単細胞生物と多細胞生物,細胞分裂と細胞周期
第9 第24
   
   磁気(1) 磁石と円形電流,スピン磁気による磁気の発生    細胞生物学(3) 表現型と遺伝子型,メンデルの法則(優性の法則,分離の法則),遺伝子と染色体
第10 第25
   
   磁気(2) ローレンツ力,マクスウェルの方程式    分子生物学(1) DNA,RNA(核酸),タンパク質(アミノ酸)の化学構造
第11 第26
   
   相対性理論(1) A.A.マイケルソンによるエーテル流の測定実験    分子生物学(2) ゲノム,DNAの複製・転写(RNAの生成),mRNA からタンパク質への翻訳 
第12 第27
   
   相対性理論(2) 同時性の否定,物体の収縮    分子生物学(3) 遺伝子の機能発現
第13 第28
   
   相対性理論(3) 相対性原理,かすり衝突における運動量保存    分子生物学(4) 遺伝子操作(クローニング,シークエンシング,過剰発現)
第14 第29
   
   中間まとめ  中間まとめとして試験を実施する   まとめ  全体の学習事項のまとめと授業評価アンケート調査を行う
第15 第30
   
関連科目 物理A,物理B,解析学,応用数学
教 科 書 適宜プリントを配布する
参 考 書 原康夫,基礎物理学,学術図書出版社; 町田茂,現代物理読本,理工学社
授業評価・理解度 最終回に授業評価アンケートを行う.
副担当教員  
備  考