科目コード | 科 目 名 | 学年 | 単位・時間 | 科目区分 | 授業形態 | 学修単位 | |||||||||||||
3048 | 材料学T Engineering Materials T | 3M | 2・90分 | 履修 | 講義 | − | |||||||||||||
教 員 名 | 徳永仁夫 : TOKUNAGA Hitoo | ||||||||||||||||||
授業概要 | 機械や構造物を設計・製作するためには、必要な機械材料の強さに影響する添加元素や加工・熱処理の影響など、基礎的な事項を理解することは重要である。現在、新材料も増加しているが、機械を構成する材料の多くは金属材料が使用されており、使用を誤らないことが大切である。機械等の設計・製作にあたり適切な材料の選択を行い、材料の最適利用技術を習得するために、本講義では、まず、金属の一般的な性質、塑性変形、加工硬化をはじめとする金属の基礎となる事項について学習する。さらに、合金元素添加の各種用途の鋼の特性、鋼の熱処理技術、機械的性質の強化技術および金属の使用中に生じる材料損傷や損傷を防止する方法・技術についても学習し、金属への理解を深める。 | ||||||||||||||||||
到 達 目 標 | 評 価 方 法 | ||||||||||||||||||
(1)構造材料としての金属の特性を理解すること。 (2)機械設計にあたり、適切な金属の選択ができること。 (3)金属の効果的な利用技術を習得できること。 (4)鋼の熱処理方法を理解できること。 (5)金属材料の機械的性質を理解できること。 (6)平衡状態図を読み取れること。 |
@中間試験(40%)、A期末試験(40%)、Bレポートおよび小テスト内容(20%)を総合して評価する。 | ||||||||||||||||||
学習・教育目標 | (C) | JABEE基準1(1) | |||||||||||||||||
授 業 計 画 | 回 | 項 目 | 内 容 | 授 業 計 画 | 回 | 項 目 | 内 容 | ||||||||||||
金属の一般的な性質、結晶構造 | 金属の一般的な性質と代表的な金属の結晶構造について説明する。 | 各種用途の鋼 | 圧延鋼、構造用鋼、構造用合金鋼、快削鋼、高張力鋼の特性および用途について説明する。 | ||||||||||||||||
第1 | 第16 | ||||||||||||||||||
金属の塑性変形、加工硬化、再結晶 | 金属の塑性変形、加工硬化、再結晶、軟化の相互関係を材料学的に説明する。 | 金属材料の強化法(1) | 金属中の格子欠陥(点欠陥、線欠陥(転位))について説明する。 | ||||||||||||||||
第2 | 第17 | ||||||||||||||||||
固溶体と金属間化合物 | 固溶体、金属間化合物の種類と性質およびこれらが実用的に利用されている例について説明する。 | 金属材料の強化法(2) | 格子欠陥と金属の強さについて説明する。 | ||||||||||||||||
第3 | 第18 | ||||||||||||||||||
金属の凝固 | 金属の凝固について説明する。 | 金属材料の強化法(3) | 結晶粒微細化による金属の機械的性質の強化、強じん化について説明する。 | ||||||||||||||||
第4 | 第19 | ||||||||||||||||||
相律、全率固溶型状態図 | 相律および全率固溶型平衡状態図について説明する。 | 金属材料の強化法(4) | 固溶強化、時効硬化、ひずみ時効について説明する。 | ||||||||||||||||
第5 | 第20 | ||||||||||||||||||
共晶型平衡状態図 | 共晶型平衡状態図について説明する。 | 金属材料の強化法(5) | 鋼の表面硬化処理の浸炭法、窒化法について説明する。 | ||||||||||||||||
第6 | 第21 | ||||||||||||||||||
その他の平衡状態図 | 包晶型平衡状態図、偏晶型平衡状態図について説明する。 | 中間まとめ | 中間試験 | ||||||||||||||||
第7 | 第22 | ||||||||||||||||||
中間まとめ | 中間試験 | 金属の塑性変形機構、破壊形態 | 金属の塑性変形機構、破壊形態について説明する。 | ||||||||||||||||
第8 | 第23 | ||||||||||||||||||
鉄鋼の製造方法、Fe-C状態図、金属組織 | 鋼の製造方法、副産物のスラグの有効活用法について述べる。Fe-C状態図について解説する。 | 金属材料の疲れ(1) | 金属の疲れ現象について、事例を挙げながら説明する。 | ||||||||||||||||
第9 | 第24 | ||||||||||||||||||
鋼の引張強さ、伸び、絞り | 鋼の引張試験法、引張試験後の引張強さ、伸び、絞りの評価法について説明する。 | 金属材料の疲れ(2) | S-N曲線、耐久限度、疲労に及ぼす諸因子の影響について説明する。 | ||||||||||||||||
第10 | 第25 | ||||||||||||||||||
金属の硬さ、衝撃強さ | 金属の硬さ試験法、衝撃試験法およびその評価方法について解説する。 | 金属材料の疲れ(3) | 金属の疲れと疲れ強さを基準にした設計について説明する。 | ||||||||||||||||
第11 | 第26 | ||||||||||||||||||
鋼の熱処理(1) | 焼なまし、焼ならしの熱処理技術および連続冷却とCCT図について説明する。 | 磨耗(1) | 金属の磨耗現象について、実例を挙げながら説明する。 | ||||||||||||||||
第12 | 第27 | ||||||||||||||||||
鋼の熱処理(2) | 鋼の等温変態とTTT図およびこれを用いたベイナイト組織について説明する。 | 磨耗(2) | 金属の磨耗の分類、磨耗に及ぼす諸因子の影響について説明する。 | ||||||||||||||||
第13 | 第28 | ||||||||||||||||||
鋼の焼入れとマルテンサイト | 鋼の焼入れ硬化能、焼入れマルテンサイト組織、サブゼロ処理、焼入れ技術について説明する。 | 金属材料の非破壊検査法 | 金属の表面および内部に発生している欠陥を金属を破壊することなく、検出する方法について説明する。 | ||||||||||||||||
第14 | 第29 | ||||||||||||||||||
鋼の熱処理と機械的性質 | 焼もどしに伴う鋼の機械的性質の変化について説明する。 | まとめ | 全体の学習事項のまとめを行う。また授業評価アンケートを行う。 | ||||||||||||||||
第15 | 第30 | ||||||||||||||||||
関連科目 | 材料学U、機械工作法T、U | ||||||||||||||||||
教 科 書 | 「基礎機械材料」:鈴村暁男・浅川基男(培風館)、必要に応じてプリント配布 | ||||||||||||||||||
参 考 書 | 「よくわかる材料学」:宮川 大海・古葉 正行(森北出版)、「図解 合金状態図読本」:横山 亨(オーム社) | ||||||||||||||||||
授業評価・理解度 | 最終回に授業評価アンケートを行う | ||||||||||||||||||
副担当教員 | |||||||||||||||||||
備 考 | 試験は計算問題、記述問題がある。平衡状態図は、材料の組織や強化方法に重要である。 |