科目コード | 科 目 名 | 学年 | 単位・時間 | 科目区分 | 授業形態 | 学修単位 | |||||||||||||
3224 | 微分方程式 | 4S | 2・100分 | 必修 | 講義・通年 | ○ | |||||||||||||
教 員 名 | 服部 勝己 : HATTORI Katsumi | ||||||||||||||||||
授業概要 | 運運動する物体の位置や速度・加速度,あるいは回路を流れる電流の変化の様子などを調べるとき,対象となる物理量を表す関数のみならず,その導関数を含む方程式,すなわち微分方程式を解くことが必要になる.また,振動や交流に関する現象に限らず,様々な物理量を複素数を用いて表すことによって,実数の範囲では個別に扱われていた物理量を統一的に扱うことができるようになる場合が多々ある.これにより,理論や公式および問題解決の手法を理路整然とした一貫性のある形式にまとめることが可能となる. 前期は,2年次および3年次の解析で修得した微分・積分の発展として,微分方程式とその解法および工学分野への応用について講義する. 後期は,複素関数について講義し,実関数の積分を求めるために複素積分を用いる手法について講義する. |
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評 価 方 法 | |||||||||||||||||||
(1) 基本的な微分方程式の型を判別でき,一般解および初期条件を満たす特殊解を求めることができる. (2) 工学で必要な基本的な微分方程式を導くことができ,適切な初期条件を与えて解くことができる. (3) 基本的な複素数の計算ができ,簡単な複素積分を求めることができる. (4) 複素積分に関する性質や定理を理解でき,実関数の積分を求めるために複素関数を用いることができる. |
評価方法は、 @定期試験 A演習と小テスト で評価する。 評価配分は、 @ 70% A 30% とする。 |
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学習・教育目標 | (E)@ | JABEE基準1(1) | (c) | ||||||||||||||||
授 業 計 画 | 回 | 項 目 | 内 容 | 授 業 計 画 | 回 | 項 目 | 内 容 | ||||||||||||
微分方程式の意味 | 曲線群に共通な方程式として,微分方程式の概念を説明する.また工学分野で重要な微分方程式の導出を行う. | 複素数と極形式 | 複素数の定義と演算および極形式による表示について説明する. | ||||||||||||||||
第1 | 第16 | ||||||||||||||||||
微分方程式と解 | 微分方程式の一般解,特殊解,特異解の相違について述べ,解曲線の性質を説明する. | 絶対値と偏角 | 極形式の応用として,ド・モアブルの定理を用いた累乗根の計算について説明する. | ||||||||||||||||
第2 | 第17 | ||||||||||||||||||
変数分離形微分方程式 | 変数分離形の微分方程式の解法を説明する. | 複素関数 | 複素関数について説明し,いくつかの基本的な複素関数を定義する. | ||||||||||||||||
第3 | 第18 | ||||||||||||||||||
変数分離形微分方程式の応用 | 変数分離形の微分方程式について,幾何学的な応用および工学的な応用について説明する. | 正則関数とコーシー・リーマンの関係式 | 正則関数の意味と,その判別方法としてのコーシー・リーマンの関係式について説明する. | ||||||||||||||||
第4 | 第19 | ||||||||||||||||||
同次形微分方程式 | 同次形微分方程式の解法を説明する. | 正則関数による写像と逆関数 | 正則な複素関数による写像について説明し,逆関数および多価関数について解説する. | ||||||||||||||||
第5 | 第20 | ||||||||||||||||||
1階線形微分方程式 | 1階線形微分方程式の解法を説明する. | 演習 | これまでの範囲で演習を実施する. | ||||||||||||||||
第6 | 第21 | ||||||||||||||||||
演習 | 1階微分方程式に関する総合演習を行う. | 中間まとめ | 中間まとめとして試験を実施する | ||||||||||||||||
第7 | 第22 | ||||||||||||||||||
中間まとめ | 中間まとめとして試験を実施する | 複素積分(1) | 複素積分の定義とその性質について説明する. | ||||||||||||||||
第8 | 第23 | ||||||||||||||||||
線形微分方程式 | 関数の線形独立,線形従属の定義を述べ,線形微分方程式の性質について説明する. | 複素積分(2) | 複素積分の絶対値の評価および不定積分を用いた複素積分の計算方法について解説する. | ||||||||||||||||
第9 | 第24 | ||||||||||||||||||
定数係数2階斉次線形微分方程式 | 定数係数2階斉次線形微分方程式の解法について説明する. | 演習 | 複素積分に関する演習を実施する. | ||||||||||||||||
第10 | 第25 | ||||||||||||||||||
定数係数2階非斉次線形微分方程式(1) | 定数係数2階非斉次線形微分方程式について,未定係数法を用いた解法を説明する. | コーシーの積分定理(1) | コーシーの積分定理について説明し,複素積分の計算に応用する. | ||||||||||||||||
第11 | 第26 | ||||||||||||||||||
定数係数2階非斉次線形微分方程式(2) | 対応する斉次方程式の一般解と重複する関数項が含まれる場合の未定係数法を説明する. | コーシーの積分定理(2) | 実関数の積分を求めるために,複素積分を用いる方法について説明する. | ||||||||||||||||
第12 | 第27 | ||||||||||||||||||
いろいろな線形微分方程式(1) | 連立1階線形微分方程式の解法を説明する. 一般的な斉次線形微分方程式について,定数変化法を用いた解法を説明する. |
コーシーの積分定理(3) | 関数が正則でない点を内部にもつ積分経路での複素積分の計算に,コーシーの積分定理を応用する. | ||||||||||||||||
第13 | 第28 | ||||||||||||||||||
いろいろな線形微分方程式(2) | 一般的な斉次線形微分方程式について,定数変化法による解法の公式を導出する. べき級数を用いた解法について説明する. |
コーシーの積分表示 | コーシーの積分表示について説明し,複素積分の計算に応用する. | ||||||||||||||||
第14 | 第29 | ||||||||||||||||||
演習 | 2階線形微分方程式および階数降下法に関する演習を行う. | まとめ | 全体の学習事項のまとめを行う。また授業評価アンケートを行う。 | ||||||||||||||||
第15 | 第30 | ||||||||||||||||||
関連科目 | 解析TA,解析TB,解析UA,解析UB | ||||||||||||||||||
教 科 書 | 前期 : 微分・積分U (大日本図書) 後期 : 応用数学 (大日本図書) | ||||||||||||||||||
参 考 書 | 微分方程式の基礎 寺田文行,木村宣昭共著(サイエンス社), フーリエ解析・ラプラス変換 寺田文行著(サイエンス社) | ||||||||||||||||||
授業評価・理解度 | 最終回に授業評価アンケートを行う。 | ||||||||||||||||||
副担当教員 | |||||||||||||||||||
備 考 |