平成21年3月25日、宇部市の国際ホテル宇部において現代GPプログラム「東北アジア地区交流による実践的技術者育成」(平成19年~21年)の平成20年度活動成果報告会が開催された。
主催者を代表して幡中校長が歓迎のあいさつをおこない、藤田宇部市長が祝辞を述べたあと、今年度、新たに学術交流協定を結んだコムソモリスク工科大学のAnatoliy Shpilev学長があいさつをおこなった。次いで、中国・ハルピン工業大学(威海)崔胜民自動車学院長があいさつをおこない、王大方教授が自動車学院の研究紹介をパワーポイントを用いておこなった。
来賓あいさつの後、特別講演として、朴榮浩教授が「東義科学大学の学科効率化案に関する研究」について講演をおこなった。
次いで、シンポジウム「高専における国際交流への取り組み」として、国際交流に取り組む4つの高専の活動の紹介があった。まず、佐世保高専の須田義昭教授が現代GPプログラム 「日中相互交流による実践的若年技術者の育成」について報告した。中国に進出している日本企業での専攻科学生のインターンシップや、本科4年生が上海・厦門地区の工場見学と厦門理工学院を訪問しての交流をおこなっていること等を報告した。
富山高専の丁子哲治教授は、富山高専が取り組んでいる「エコテクノロジーに関するアジア国際シンポジウム」について報告した。15年間、毎年、国際会議の開催を続けていること、12回大会から高専機構の支援を受けていること、2008年度は石川高専、豊橋技科大、長岡技科大と共催したこと、会議には中国、韓国、タイから参加者があること、などを報告した。
大島商船高専の櫛田直規教授は大島商船高専と青島大学ソフトウェア学院との交流について説明した。2005年から教員の交流を行っており、2008年には青島大学ソフトウェア学院の学生が2週間、大島商船高専を訪問して授業見学、簡単な実験や日本の工場見学などを行ったことを報告した。
宇部高専の吉田は、現代GPプログラム「東北アジア地区交流による実践的技術者の育成」の2007年度、2008年度の活動と、2009年の活動予定について報告した。
最後のセッションでは「東北アジア地区交流による実践的技術者の育成」プログラムに参加した宇部高専の4人の学生の報告が行われた。生産システム工学専攻の阿南翔太はコムソモリスク工科大学訪問とコムソモリスク市で開催された東北アジア機械産業都市連合国際展示会について報告した。物質工学専攻の田中勇弥は大連でおこなわれた国際会議での発表とハルピン工業大学(威海)訪問について報告した。経営情報学科の針間愛子と福田悦子は東義科学大学訪問について報告した。経営情報工学専攻の松永奈穂子は現代GPプログラム「東北アジア地区交流による実践的技術者育成」の一環として行われた特別研究「ソーシャルブックマークを利用したwebページの信頼度調査」について発表した。学生の発表は全て英語で行われた。
報告会の参加者は、本校教員35名、学生38名、海外からの招待者9名、国内招待者4名、宇部市役所4名、他高専教員2名であった。本報告会を実施することによって本取組の内容についての本校教員・学生の理解を深めることができた。また本校と学術交流協定を締結しているロシア・コムソモリスク工科大学、中国・ハルピン工業大学(威海)、および韓国・東義科学大学の教育方針、教育内容について、本校学生・教員の理解を深めることができた。これは今後の交流の活性化に役立つことが期待できる。
報告会の後に行われた交流会には海外からの招待者と国内の招待講演者がすべて参加し、英語、ロシア語、中国語、日本語で自由なデイスカッションをおこなった。藤田宇部市長は、宇部市と宇部工業高等専門学校が協力して、東北アジア地区交流に取り組み、国際的に活躍できる人材育成とともに宇部市地域活性化を促進したい旨を述べられた。
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