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現代GP「東北アジア地区交流による実践的技術者育成」活動記録

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 15.FAR EAST SPRING-2009 報告(平成21年5月18日~25日)
宇部高専専攻科物質工学専攻 2年 江本和憲・1年 大歳篤典

1.5/18(月)~5/25(月)のスケジュール
 5/18(月)宇部→(飛行機)→東京→(新幹線)→新潟→(飛行機)→ハバロフスク
         ハバロフスク泊
 5/19(火)午前 市内観光
         午後 ハバロフスク日本領事館訪問
         夜行列車 ハバロフスク→コムソモリスク・ナ・アムーレ 車中泊
 5/20(水)大学到着後スケジュールの打ち合わせ(5/20~24 コムソモリスク泊)
         午前 航空博物館(KnAAPO Expocenter) 見学
         午後 石油精製工場 見学
 5/21(木)午前 養魚場(Amursk Fish Production) 見学
             植物園 見学
         午後 学会発表準備打ち合わせ
             日本語クラス訪問
 5/22(金)午前 Far East Spring-2009 開会式 福地挨拶(宇部高専紹介)
         午後 大歳、江本、福地の順で英語で発表 閉会式で3名が表彰された
         夕方 アムーレ川支流で魚釣りを体験
 5/23(土)午前 学内 見学
         午後 鉱物博物館 見学
 5/24(日)午前 Amut Lakeハイキング
         午後 コムソモリスク市内 見学
         夜行列車 コムソモリスク・ナ・アムーレ→ハバロフスク 車中泊
 5/25(月)午前 ハバロフスク市内観光
         午後 ハバロフスク→(飛行機)→新潟→(飛行機)→大阪→(新幹線)→宇部

2.ハバロフスク滞在
 21時頃ハバロフスク飛行場に着き、まだ明るいこともあり、トローリーバスで市内へ向かう。市内に着いたときは真っ暗で、道に迷いかけたが、タクシーを見つけてホテル「ベルサイユ」に到着した。すでに22時を回っていて、近くのスーパーに買い出しに行き、ささやかな夕食を楽しんだ。翌日は、夜行列車まで丸1日あったので、銀行でロシアの現金(ルーブル)を手に入れて、市内観光(アムーレ川散策、教会、町並み、公園の散策)を楽しんだ。午後ハバロフスク日本領事館を訪問して、貝谷総領事、内田副領事と面談をした。
貝谷総領事と面談 ハバロフスク日本領事館前で内田副領事と
3.コムソモリスク・ナ・アムーレ滞在
 (1)到着・市内見学・学校見学など
 朝、6時26分の到着に国際交流室のユージン(Evgeny G. BELETSKIY)が迎えに来てくれて、Voskhodホテルへのチェックイン、滞在手続きなどをしていただいた。ホテルでしばらく休憩をした後、10時に大学のエコロジー学科シュテパノーバ(Irina STEPANOVA)学科長(Far East Spring-2009の代表者)と学会についての打ち合わせ、その後国際交流局長のマリーナ(Marina KONFEDERATOVA)と5日間コムソモリスク滞在のスケジュール説明を受けた。11時から航空博物館、午後石油精製会社見学を日本語学科教員のマリア(Maria ZMASHA)と学会スタッフ学生イリーナの案内で、貴重な体験をすることができた。

航空博物館

パイプラインと遠方に石油精製工場
 21日は、チョウザメなどの養魚場をマリーナと国際交流室のアンナ(Anna N. KUTUZOVA)の案内で見学させていただき、チョウザメの生態などの説明を受けた。帰り道に植物園を見学した。各種ハーブやサボテンなどが温室の中に育てられていた。

Amursk Fish Production その1

Amursk Fish Production その2
 15時から、マリアの日本語クラスの学生と交流をすることになった。日本語でいろいろ質問があり、それに答えて、親睦を深めた。
日本語クラス

 (2)FAR EAST SPRING-2009
 このFAR EAST SPRINGは、極東のコムソモリスクで、毎年行われていて、ロシア連邦教育・科学省後援で、エコロジーと生活安全に関係する幅広い分野から構成されている。口頭発表は20件程度であるが、投稿論文を含めて200報程度の参加があり、ロシア語のプロシーディングス(英語タイトル、要旨付き)500~600頁の立派なものが毎年刊行されている。2009年5月開催のこの度の国際学会では、副題に”International Practical Research Conference in ecology and life safety”があり、座長はコムソモリスク工科大学エコロジー・化学工学部生活安全科の学科長Irina Pavlovna Stepanova教授で、昨年12月23日の学術交流の時、福地教授が招待を受け、専攻科学生2名(江本・大歳)とともに実現した。 この学会の目的は、「生活、健康、環境保護への人間にとってふさわしい認識の条件および可能性の追求」であり、課題は、「現代世界の危険性に置かれているプロセスの正確な理解をする人々を支援し、生活と健康保護の根本的な方法と手段の実現および選択のための促進」と学会募集要項の中にある。
 われわれの発表内容は、以下の3件で、口頭でそれぞれ20分程度の英語による発表と質疑応答があった。他に全体で20件の口頭発表(ロシア語または英語)があった。
(Field of the pollution of environment)
A. Otoshi, Student; T. Harada, Technical Stuff; Y. Nakano, Dr. Engineering, Associate Professor; Ube National College of Technology
T. Fujisato, General Manager; Y. Ikeda, President : BUBBLETANK
“TREATMENT PROPERTY OF FOOD REJECTION USING DISSOLUTION APPARATUS OF OZONE WITH LIQUID THIN FILM”

(Field of the ecological technologies)
K. Emoto, student; T. Yoshimi, Student; Y. Nakano, Dr. Engineering, Associate Professor; Ube National College of Technology
A. B. Hizon, Student; S. Nakai, Dr. Engineering, Associate Professor;
W. Nishijima, Dr. Engineering, Professor; M. Okada, Dr. Engineering, Professor: Hiroshima University
“DEVELOPMENT OF ARTIFICIAL EELGRASS SOIL APPROPRIATED TO CREATION OF EELGRASS BED”

(Field of the pollution of water)
K. Fukuchi, Dr. Engineering, Professor; Ube National College of Technology
S. Kobuchi, Dr. Engineering, Associate Professor; Yamaguchi University
T. Furuya, Dr. Engineering, Group Leader of Nano Fluidics Research Group,National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
Y. Arai, Dr. Engineering, Professor Emeritus; Kyushu University
“PREDICTION OF ADSORPTION EQUILIBRIA FOR MULTI-SOLUTE DILUTE AQUEOUS SOLUTIONS ON ACTIVATED CARBON USING NON-IDEAL ADSORBED SOLUTION MODEL AND EXTENDED RADKE-PRAUSNITZ EQUATION”

 上記発表は、ロシア語に翻訳されて、これから発刊されるプロシーディングスに掲載される予定である。翻訳やプロシーディングス作成に携われるStepanova研究室のスタッフの方々に感謝したいと思います。
Far East Spring-2009閉会式後の記念撮影
 (3)学会後の鉱物博物館、Amut湖のハイキング、市内見学など
Solnechny鉱物博物館でStepanova研究室学生と
Amut 湖 ハイキングの途中で
アムール川沿コムソモール像の前でニキーチン副学長と
コムソモリスク駅から夜行列車出発前(ニキーチン、マリア日本語教師、工科大学学生)
ハバロフスク市レーニング広場
4.感想
 このたびのロシア連邦はコムソモリスク・ナ・アムーレでの学会発表を通じて、本当にたくさんの新しい発見を体験することが出来ました。自分の研究テーマを英語でプレゼンテーションすることもそうですが、ロシアで体験させていただいたことすべてが今までにないことばかりでした。私はロシアに行く前に数カ国の外国に行ったことがありますが、今回の体験は今までに行ってきた諸外国とは趣が違うように感じました。今回の渡露で料理、文化そのほか諸々のロシアのことについて知ることが出来ましたが、とりわけ一番驚いたことが気候についてです。ロシアに行く前は、私も私の友人たちもロシア全土が年中寒冷な気候にあると思っておりました。故に多くの防寒着を持っていったのですが、我々が到着した時期すなわち5月ごろは実に温暖でむしろ暑いと感じました。現地の人に聞くと、我々が夏と認識している時期はコムソモリスクも暑いとのことです(他の地域は訊いていませんが…)。自分のロシアに対する勝手な思い込みを壊すことができてよかったです(笑)。ちなみに持っていった防寒着は使われることが皆無で、出発前から帰国後まで結局お荷物としてカバンの中に眠っておりました。
 今回、コムソモリスク工科大学の諸先生方、学生さんたちには本当にお世話になりました。我々のために様々な準備をして下さり、感動するほどうれしかったです。またぜひ来てほしいといわれ、ロシアの方々の温かさを感じました。次はちゃんとロシア語を勉強し、自身の足でコムソモリスクの”友人達”に会いに行こうと思っております(江本和憲)。
 私は今回初めて海外に行きました。ロシアの人々は皆優しく、道で迷っていたら声をかけてくる人が多くおりました。ただこちらがロシア語を理解できないので相手の言っている事を理解することが出来ないのが非常に残念でした。
 今回の滞在は春だったのでロシアは寒いと思い、さまざまな防寒グッツを用意して行ったのですが、ロシアの方が日本よりも暖かくそれらを利用する事はありませんでした。ロシアの町並みは日本とは違い、街のいたる所にごみ箱がある、露店が多い、公衆トイレがない、店が店らしく見えない、など様々な面で驚かされました。また街の歩道があまり舗装されておらず、ごみが投げ捨てられているところをよく見ました。現地の方とも少し話したのですが、多くのロシア人はごみを投げ捨てることにあまり抵抗がないらしいです。また日本に来たことのあるロシア人の方は日本がなぜあんなにごみを分類しているのか理解できないようでした。やはり文化が違うと物のとらえ方が違い、自分が常識と思っている事が異端になったりすることがよく理解できました(大歳篤典)。

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