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現代GP「東北アジア地区交流による実践的技術者育成」活動記録

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 2.ハルピン工業大学(威海)訪問(平成19年11月19日~23日)
専攻科 物質工学専攻 2年
目 宏志   森分 勝人
<訪問旅行の日程>
 2007年11月19日(月)から11月23日(金)まで、下記の日程で訪問旅行に行きました。
 11/19(月)・・・移動 夜:歓迎会
 11/20(火)・・・午前:学科間の学術交流会議 午後:久冨木先生の講演
           学生との交流
 11/21(水)・・・ビール工場の見学及び共同研究の話し合い
 11/22(木)・・・昼:送別会 午後:移動
 11/23(金)・・・移動日
<交 流>
 11/20(火)午前は学科間でどのような学術交流(共同研究や留学など)を行うかについて、ハルピン工業大学の先生方と話し合いました(写真1)。その後、学内の研究所などの見学を行いました。

写真1:ハルピン工業大学のメインビル(左)と学術交流会議の様子(右)
 午後からは久冨木先生による学生(学部3,4年生)への研究講演(写真2)と学生からの私たちに対する質問が行われました。ハルピン工業大学の学生からの質問はほとんど英語で行われ、質問の内容は研究に関することや宇部高専に関すること、就職などについてでした。特に印象的だった質問は就職率についての質問でした。中国では就職は難しいそうでハルピン工業大学の学生の就職率は70%前後と低いことに驚きました。
 講演と質問会が終わった後、講演にいた学生数人と海まで散歩して直接交流する機会がありました。その時の会話は、お互いの国の文化や学生生活などについて英語や筆談を交えて交流しました(写真3)。彼らの話す英語は理解できるのですが、私たちの英語力が乏しいため、話したいことの2割ぐらいしか伝わりませんでした。しかし、彼らがまじめに勉学に取り組みながら学生生活を楽しんでいることがよく分かりました。

写真2:研究講演 写真3:学生との交流
 11/21(水)は威海市のビール工場(威海啤酒集団有限公司)へ行き、共同研究の話し合いと工場見学を行いました(写真4)。ビール工場ではビール製造時に発生する麦芽残渣と酵母を含む珪藻土の処理に困っており、それらの処理について共同研究の可能性について話し合いを行いました。

写真4:ビール工場見学
 ハルピン工業大学の学生はみんな真面目で向上心があり、目が輝いていました。学生からのコミュニケーションも積極的で非常に刺激になりました。
今回、ハルピン工業大学の学生と交流したことで、私たちもさらに努力しなければならないと感じました。今後、ハルピン工業大学と宇部高専の学生同士の交流を深めることによって、宇部高専の学生も良い影響を受けるのではないかと思います。


経営情報学科 5年
梶本 真弥   松本 杏奈   吉坂 香織
1. 訪問期間
   H19年11月19日~23日

2. 場所
   中華人民共和国山東市威海市ハルピン工業大学

3. 目的
    現代GPの一環として中国ハルピン工科大学との卒研・特研を含む学術交流および
   インターシップを通して世界で活躍できる技術者の育成、地域経済の活性化を目指
   す。

4. 参加者
   経営情報学科、物質工学科の教員6名と本科5年生3人、専攻科生2人

5. 日程
11月19日(月) 午前 宇部高専出発
午後 ハルピン工業大学到着
交流会
11月20日(火) 午前 交流会
・人文与管理学院の説明(靳小釗学院長)
午後 講義見学
・株売買シミュレーション(李先生)
・Visual Basic(李先生)
11月21日(水) 午前 研究交流会
・[金瓶梅]と[水滸伝]の比較検証(劉耳先生)
・番組制作演習の参観
午後 ・現地企業(日福食品)視察(飯田一實社長)
・ファッションショー見学(李先生)
11月22日(木) 午前 市街探索
午後 中国出発・韓国到着
11月23日(金) 午前 韓国出発
午後 宇部到着
6. 見学内容

■交流会(靳学院長による学部の概要説明)
 人文与管理学院の学生数は1,442人で、学科構成は「経済」「文学」「法学」等の複合学科であること、就職率は年々増加傾向にあることなど、パワーポイントを用いて人文与管理学院の詳細や学校のシステムの説明を受けた。
交流会終了後 課外活動演習風景
■講義見学(株売買シミュレーション)
 この講義は課外活動であり、学生たちが計算機室で自主的に活動を行っていた。大会も開催されており、架空のお金と現実の株価データを使い、株式の売買を行って、多くの利益を出す方法を学ぶ。

■講義見学(Visual Basic演習)
 情報系の講義のひとつとして、Visual Basicが学ばれていた。見学時は講義室でプロジェクタを使用しての講義を行っており、学生が集中して聴講していたことが印象的だった。講義の他に、計算機室での演習も行われている。

■研究交流会(劉先生による研究発表)
 中国の古代小説である「金瓶梅と水滸伝」の文章を抽出し、両作品の年代の比較を表現方法によって行っていた。また、同類の韻文などを進化的計算手法を導入し比較する方法も説明された。発表後は研究内容に関する討論を行い、お互いの意見交換を行った。

■講義見学(番組制作)
 実験室と呼ばれるスタジオには、高性能動画編集機材が備えてあり、学生たちにより番組制作を行っている様子を見学した。他にも広告のアニメーション製作や、レイアウトの演習も行っていた。

■現地企業見学(威海日福食品有限公司)
 中国山東半島の最東部にあり、2001年日本の独資企業として成立。アメリカのHACCPの基準に合格し、中国の先進的な製品加工工場である。中国への進出理由としては、人件費が安いこと、中国の発展可能性の2点がある。会長の飯田さんは中国に4社ほど会社を設立している。現在の中国人は、中国の目で見ると高い商品でも良い商品なら買うという。この事から中国人の視点は変わってきていると言え、中国市場の成熟が伺える。

■課外活動見学(ファッションショー)
 11月24日に予定されている大学祭での発表のため、授業後に行われていたファッションショーの練習を見学した。モデルは大学内から選ばれた男女で、ショーの構成や企画を学生で行っていた。
番組制作演習風景(機材)  ファッションショー練習風景
7. まとめ
 ハルピン工業大学は学生が大学内で暮らしていて、朝早くから遅くまで校内で学生を見かけることが多かった。中国の大学生の授業への取り組みはとても真剣で、講義も集中して聞いていた。課外活動へ取り組む学生も多く、大学祭でモデルをする学生たちは、遅くまで残って練習を行っており、何事にも真剣に取り組む姿勢がうかがえた。
また、現地企業の訪問では、文化の違いなどによる問題点なども聞き、中国市場での生き残りが厳しい現実を聞いた。威海市内の風景は古い建物があり、手作業での道路工事が行われる中で高層マンションや高層ビルも建ち並んでおり、中国の経済が発展していることを目の当たりにした。
 今後は、相互交流をより深いものとするために、互いの母国語を学ぶことや、訪問だけでなく論文の交換やそれを発表するための学生を交えた学会を開催していくことが重要と考える。

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