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現代GP「東北アジア地区交流による実践的技術者育成」活動記録 |
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3.韓国東義科学大学訪問(平成19年11月18日~22日) |
◆日程
2007年11月18日(日)~11月22日(木)
◆訪問先
東義科学大学、東義大学
昌原クラスター推進団
昌原上下水道事業
現代自動車・蔚山工場
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【東義大学校、東義科学大学訪問】
午前10時に到着後、まず東義科学大学にて旅行学科、自動車学科、インターネット情報・マルチメディア学科、食料科学科を見学した。旅行学科では、ホテルマンを養成する授業やキャビンアテンダントを養成する授業などを見学し、非常に実践的な授業を展開していることが感じられた。次に、自動車学科を見学した。自動車学科は現代自動車などと技術提携しており、非常に人気のある学科であるようだ。その後、インターネット情報・マルチメディア学科を見学した。この学科では、スタジオを完備しており、学生が実際に撮影、編集などの実習を行うことも可能である。次に、食物化学科を見学した。この学科では、パン作りを行っている授業を見学した。
東義科学大学を見学し、すべての学科ともにとても質の高い設備の中で専門的な科目を非常に実務的に学ぶカリキュラムである、ということを感じた。
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旅行学科授業風景 |
自動車学科授業風景 |
午後からは東義大学校を訪問した。今回は化学工学部、環境工学部、情報工学部を見学した。見学前には東義大学校と宇部高専のお互いの学校紹介を行った。また、化学工学部や環境工学部では実験風景を見学し、情報工学部ではカリキュラムなどの説明を受けた。東義大学校は、キャンパス内が広く学生数の多さに驚いた。また、専門的な知識はわからないながらも設備の充実さに驚き学生も真剣に実験に取り組んでいた。 |
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学校紹介の様子 |
環境工学部実験風景 |
【昌原クラスター推進団、昌原上下水道事業訪問】
昌原市にある昌原クラスター推進団と昌原上下水道事業に訪問した。
昌原市は韓国の工業団地で、企業数が1716社(機械関連の企業が74%)あり、2006年の生産額が320億円(輸出額は141億円)となる。韓国の機械産業の20%を占めている。
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昌原市の風景 |
○ 昌原クラスター推進団
クラスター推進団に訪問、企画統括チーム長のPark,Dong-Chul氏と企画統括代理のPark,Young-Woo氏と面会し、昌原革新クラスターの紹介ビデオ、プレゼンテーションと質疑応答が行われた。プレゼンテーションの内容は、昌原市と昌原革新クラスターについての概要と推進団の活動についてだった。
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昌原クラスター推進団 |
プレゼンテーションの様子 |
○ 昌原上下水道事業
午後から昌原上下水道事業に訪問し、上水方法と施設の見学、説明を受けた。 |
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質疑応答の様子 |
施設の一部 |
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蔚山工場・生産車種 |
集合写真 |
蔚山工場は、現代自動車のグローバル生産のハブ工場として機能し、単一工場としては世界最大規模である。34,000名の従業員が働き、敷地は150万坪で5つの工場を所有しており、生産能力は年150万台となっている。
当日は現代自動車の紹介ビデオを鑑賞し、その後、第4工場と専用埠頭を見学した。また、バス移動中には質疑応答が行われた。
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生産システム工学専攻2年
岡村 雄一郎
物質工学専攻1年
砂町 規夫 富田慎太郎 長澤 康致 物質工学科5年
赤木 健治
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日程 2007年11月18日~22日
研修先
11月19日(月)
午前 東義科学大学視察(観光学科、食品科学科、自動車工学科、
情報コミュニケーション工学科、画像工学科等)
午後 東義大学校の視察(化学工学科、環境工学科、情報工学科、
国際交流センター等)
11月20日(火)
午前 昌原クラスター推進事業団の研修(クラスターの全体説明と質疑応答)
昌原下水道事業団の研修(全体説明と施設見学・質疑応答等)
11月21日(水)
午前 現代自動車の主力工場(ウルサン市)の施設見学
(全体説明と工場見学・質疑応答等)
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◆◆◆
11月18日
この日は移動日である。7:00に宇部高専に集合し、バスで博多港に移動した。10:15 博多港発の高速船で釜山に向けて出港し、13:35に釜山港に到着しホテルへ向かった。
11月19日
東義科学大学・東義大学校に訪問した。9:00にホテルを出発し9:20に東義科学大学到着した。予定より早く着いたためキャンパス内や学生会館で時間をつぶした。
9:53に日本語学科の一室にてスケジュールの説明を受けた後10:30から観光学科を視察した。そこではホテルでの接客方法の講義を参観した。
われわれが視察した時点では講義が行われていたが、その部屋にはホテルの宿泊室やロビーの実物が造られ、学生が実習に用いる。次に発券に関する授業を参観した。プログラミングによる発券を学んでいた。最後に客室乗務員の講義を参観した。この講義は航空機の客室を模した部屋で行われていた。国内線での機内サービスの講義をしていたが我々の視察のためわざわざ実習をしてくれた。
10:40から産学協力館を視察した。ここでは企業と連携して研究開発等が行われている。まずは3次元スキャナによる自動車部品の取り込みを行う部屋を視察。ここでは民間企業からの業務依頼の他、学生の実習も行われている。ちなみに、年に200の企業がここと提携している。次に食品分析センターを視察した。ここは食品中の成分、その他元素を分析するところであり、韓国内の大学では唯一の政府公認の検査機関である。
11:00から自動車学科を視察した。自動車会社から提供された古い車を使って実習を行っている。ここでは企業からの支援により学生を教育し、その学生を企業に送り出している。
11:10から情報コミュニケーション工学科を視察した。この学科はカナダのBCIT(British Columbia Institute of
Technology)と提携し、この学科を卒業するとBCITの卒業証明書も与えられる。その他アジア、アメリカ等の国々での研修実績もある。また、日本に就職する学生も多く、そのような学生のための特別クラスを作り、日本語等の教育をしている。この学科では無線に関する講義を参観し、学生がインターネットのプログラムについて学んでいた。
その次に画像工学科を視察した。実物のスタジオや編集室と同じものが作られていた。
学生はこの設備のみならず実際のテレビ局でも実習を行っている。この学科を専攻している学生は主に放送局、ケーブルテレビ局、プロダクション等に就職する。
最後に食品科学科を視察した。本格的な調理場が設備されていてわれわれが視察したときに調理の実習が行われていた。
大学訪問後、今回案内してくださった東義科学大学の先生方から昼食会を開いていただき、昼食をご馳走になった。
午後は東義大学校にて13:50から化学工学科を視察した。この学科は有機化学、生物化学などの専攻を含むため日本における応用化学科のようなものである。まずは待合室に案内された後実験の様子を参観し、そのときは物理化学実験など基礎的な実験が行われていた。その他講義室や実験室も視察した。
次に、環境工学科を視察した。この学科は1999年に化学工学科から分離した新しい学科である。一学年に50人の学生が在学し土壌汚染、水質汚染、大気汚染、食品廃棄物等の問題に取り組んでいる。まず会議室にて学科の説明を受けた後、実験室、講義室、学生の自習室を視察した。
15:05から情報工学科を視察した。講義室や実験室を視察し、コンピューター、電気機器などの器具や設備が充実していた。
最後にバスでキャンパス内を見回した後に国際交流センターに訪問した。ここで教官は本高専と東義大学校との提携のため会談し、学生はその間別室で待機した。会談終了後国際交流センター玄関前にて写真撮影をした。
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11月20日
昌原クラスター推進事業団および昌原上下水道事業団の視察をした。8:00にホテルを出発し、9:00過ぎに昌原クラスター推進事業団に到着したものの予定より早い到着であったため辺りを散策した。
9:50に事業団建物の一室に案内され、そこで事業団に関する説明を受けた。このクラスターとは産・官・学が連携し、ある特定の産業分野を発展させるためのモデル地域である。このようなクラスターは韓国国内にここを含め7ヶ所ありそれぞれの地域ごとに特定の産業分野を発展させるため、クラスター推進事業団がその分野の支援を行っている。ちなみに昌原では機械工業分野の発展を推進している。
その後昌原上下水道事業団へ向かった。13:50に目的地に到着し、まずは浄水施設を管理する部屋に案内された。ここで浄水場に関する説明を受けた。この浄水場では従来の韓国の浄水場のように川の水を直接取り込むのではなく、川底から地中にしみこんだ地下水を井戸から取り込んでいる。そのためよりきれいな水を採取でき、従来よりも簡素な設備で水を浄化できる。その浄水過程はまず井戸から取り込んだ水を反応塔上部から散布し、砂ろ過および活性炭ろ過するというものである。説明を受けた後それらの設備を視察した。視察後、元の部屋に戻り質問の受付をしてくださった。設備を管理するコンピューターの画面を見せていただいた後その部屋で写真撮影をした。
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11月21日
最後の研修先である蔚山市の現代自動車蔚山工場を見学した。8:00にホテルを出発して10:00ごろ現代自動車蔚山工場に到着した。
現代自動車は以前、安価な自動車として世界で評判だったが現在は高度な品質管理により品質やブランドイメージ等の質的な側面からも業績を伸ばしている。さらに自然環境にも配慮し、工場排水の浄化などの生産段階に生じる環境負荷の低減のみならず、研究開発によりLPGを用いたハイブリッド自動車を開発し市場に投入する計画である。現代自動車についての説明を受けた後、案内所ロビーで写真撮影をした。まず第3工場を見学した。ここは車両の組み立てを行う工場である。つぎに製品を輸送するための専用埠頭を見学した。ここは42,000トン級の船舶3席が同時に接岸できる大規模な埠頭である。
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感想
・ 東義科学大学は観光学科においてはホテルの部屋や航空機機内の座席などを用いて実際の接客法を学んだり、自動車学科では実物の自動車を用いた実習を行い、食品科学科では本格的な調理場で調理実習をするなど実戦的な知識や技術の習得に力を入れていることがわかった。よってこの大学の卒業生は就職先で即戦力となるため多くの企業からの評価が得られているのではないかと思う。
さらに、狭い範囲を勉強、実習し目標に向かって学んでいる学生の姿が見れた。
・ 東義大学校では環境についての話し合いがなされた。環境問題についてはさまざまな意見を取り入れ、共同研究なり、意見交換を行い改善の道をたどれればいいと思う。
・ こういった他国の学校を見る機会はめったになく、貴重な経験ができた。
・ その他韓国の教育機関は政府、企業、他国の学校等との連携が整っており教育体制がすばらしいと感じた。
・ 昌原クラスター推進事業団、浄水場、現代自動車など海外の産業システムや施設を見学でき、よい経験となった。特に現代自動車では普段国内の自動車生産現場を見ることもめったにないのに海外の自動車の生産現場を見ることができて貴重な経験となった。
・ 昌原の浄水場では土壌にしみ込んだ川の水を地下水としてくみ上げることで薬品の添加やろ過過程を減らしていた。海外の水道水を飲んではいけないというのが海外のセオリーだがここの処理水は大変おいしく、韓国の技術の高さを肌で感じることがた。
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